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5月29日に、テニスの4大大会(グランドスラム)のひとつである全仏オープンの本戦が開幕しました。私はスポーツ観戦が趣味で、特にテニス観戦好きのため、グランドスラムの試合結果は必ずチェックしています。テニスのトーナメントは、とても過酷な戦いです。中でも、グランドスラムにおける男子の試合は、ザ ベスト オブ 5 セット マッチと言って、5セットのうち3セットを勝ち取らなければ試合に勝利することができません。しかも、一試合が3時間を超えるケースも珍しくはありません。初戦から決勝まで勝ち上がると、2週間で7試合を戦うことになります。参加選手にとって、大会の会期中、フィジカル面、メンタル面ともに良好なコンディションを維持し続けるのは、決してたやすいことではないと思います。
テニスに限らず、あらゆる分野のスポーツ選手たちが、死力を尽くしてタフなゲームに勝利したとき、メディアのインタビューなどでよく口にしている言葉があります。それは、「自分を信じて戦いました」というものです。
本年1月に、私の敬愛するテニスプレーヤーのロジャー・フェデラーが、怪我による半年間のブランクから復帰した直後の全豪オープンで劇的な優勝を果たしました。対戦相手は6年振りの決勝対決となったラファエル・ナダルで、全世界のテニスファンの期待に十二分に応えてくれた、とてもクオリティーの高い内容の決勝戦でした。そんなフェデラーも、試合後のインタビューでは、「自分を信じて戦った」という内容のコメントを残していました。なぜ彼らは、体力と気力の限界に挑戦するような状況下で、「自分を信じて」戦うことができるのでしょうか?
決戦の場に臨んだスポーツ選手を支えるもの、それは、オフに積み重ねてきた日々のハードな練習とトレーニングに他なりません。毎日の厳しい練習メニューをこなしてきた実績と自信が、彼らの心の拠り所となっているのです。そして、彼らの潜在意識にその行動と思いが刻まれているからこそ、ここ一番という勝負どころで「自分を信じる」ことができるのだろうと思います。
脳科学によれば、脳は潜在意識が思い込んでいる通りに、その人の世界を作り上げるとされています。「自分はあれだけの練習をこなしてきた」「自分にはできる!」「大丈夫!」という揺るぎないメンタリティーが潜在意識にあることで、体もおのずと反応し、大きなプレッシャーのかかる局面でも本来の、あるいはそれ以上の実力を発揮して勝利を手にすることができるのです。
こうした潜在意識の作用は、英語の習得にも大いに関係があります。大切なポイントは、日々の積み重ねと、「できる」というメンタリティーです。あなたには、次のような経験はないでしょうか?英会話をそれなりに勉強してきたつもりでも、いざ英語を話すという場面で、思うように口から言葉が出なかった。普段は聞きとれていたはずの簡単な会話のフレーズが、ネイティブを前にしたときうまく聞きとれなかった。英語のプレゼンテーションに備えてしっかり準備をしたはずなのに、本番では頭が真っ白になってしまった、等々。
このような現象は、たとえあなたが意識的に「できるはずだ」と自分に思い込ませても、あなたの潜在意識が「自分は英語を話せる」「聞きとれる」「大丈夫!」と信じていない限り、いつでも起こりうる現象なのです。潜在意識は、あなたの毎日の生活を静かに見つめています。あなたがどんな信条を持ち、どんな行動を取っているか、または取っていないかを見つめ、そこにあるあなたの本当の気持ちを感じています。あなたがいつもこうありたいと願う目標に見合わない行動を取っていると、潜在意識において、あなたはあなた自身をそのレベルでしか評価しません。その結果、ここぞというときに「自分を信じる」ことができず、今ひとつの頑張りがきかなくなるのです。
潜在意識とは、かくも偉大な存在です。もしあなたが達成したい目標をお持ちなら、あなたの目標達成を強力にバックアップしてくれる潜在意識を味方につけるため、日々の行動ベクトルを目標の方向に合わせましょう。そして、何よりあなたが自分自身に誇れるような行動計画を実践し、勝者のメンタリティーを身につけていきましょう!
See you!