英語と転職活動

こんにちは、eigomob.comへようこそ!

先日、女性のための転職イベントに参加させていただきました。TOEICのスコアアップや英会話力の向上など、現在転職を考える上でも英語のニーズは高まっているようです。このイベントでは、英語に関するさまざまなお悩みをお持ちの方々の学習相談に応じさせていただきました。最近では、ビジネスのボーダーレス化が確実に浸透しているため、外資系企業にかかわらず日本企業においても、それなりの頻度で英語の業務が発生しているようです。私自身も過去数回の転職を経験しましたが、今は英語のパーソナルコーチとして、やりたい仕事を長く楽しく続けるための場所と機会を探し求める方々に、英語のスキルアップという側面から少しでも実践的なサポートをご提供できればと思います。

実は、私には以前外資系コンサルティング会社で採用業務に携わった経験があり、国内の就活イベントやアメリカで開催される日英バイリンガルのための就職・転職イベント「ボストンキャリアフォーラム」にも参加したことがあります。今回久々に転職イベントに参加して、採用の仕事をしていた当時を懐かしく思い起こしました。そんな過去の経験も踏まえて、今回学習相談をお受けしてみて感じたことを書かせていただきたいと思います。

英語の資格は万能?
まず、「英語が好きなので英語を使う仕事がしたい」とおっしゃる方が沢山いらしたのですが、そのために最も必要なものは「資格」であると考えている方が多いように感じました。今では、総合的な英語力の判断基準として多くの企業がTOEICスコアを参考にしていますが、TOEIC以外に就職活動で有利になる資格は何かと質問される方が結構いらっしゃいました。資格も大切ですが、素晴らしい資格ばかりが履歴書に並んでいても、それだけで人材としてのその人の価値が図れる訳ではありません。

中途採用の面接の場で採用担当者が最も知りたいことは、あなたが現在の、またはこれまでの職場で何を成し遂げてきたか、そしてその経験をもとにこの会社でどんな活躍をしてくれるだろうか、ということです。つまり、中途採用の世界では、採用候補者の即戦力や実践力というものが最も重視されるのです。資格とは、そうしたあなたの生身の現実をさらにバックアップするものとして認識された時に最高の威力を発揮するものだと思います。もちろん、応募条件の中に「TOEIC 800点以上」などとうたわれている企業を狙う場合には、まずは資格を取得することも重要ですが、「資格」と仕事で結果を出すための「実践力」は全く異なる次元のものとして評価されることを知っておく必要があります。

「英語で仕事がしたい」では不十分
今回感じたことがもうひとつあります。それは、「英語を使う仕事がしたい」と言うものの、具体的には何がやりたいのかというコアの部分があまり明確にはなっていない方が多く見受けられたことです。例えば、「外資系で働きたいですか?」とお聞きすると、「外資系でもよいです」という回答が返ってきたり、「どんな仕事をされたいのですか?」とお聞きすると、「できれば今とは違った仕事を」などという反応だったり、まだご自身の中で今後の方向性がよく定まってはいない状況といったところでしょうか?それでも、皆さん口々に「英語を使う仕事がしたい」とおっしゃる訳です。

転職を考える理由は人それぞれかと思いますが、何よりも自分は今後「何がやりたいのか」という仕事軸をじっくり考えて決めることが、実は英語学習の観点からも非常に大切です。英語を使って仕事をするということは、あなたの専門性にプラスアルファの要素として英語力が必要になるということを意味します。そして、仕事を選ぶ上では、あなたにとっての専門性、つまり業種や業務分野の選択こそが最も重要です。なぜなら、英語は、あくまでもやりたいことを叶えるためのコミュニケーションツールにすぎないからです。仕事における英語の位置づけは、これ以上でもこれ以下でもありません。このことをぜひ忘れずにいていただきたいと思います。

英語学習のポイントはゴールを明確に
ところで、この転職イベントは「長く働ける場所を探す」ことをテーマとしていましたが、かつての私にとって理想の就職先とは、「自分のやりたいこと、できることにお金を払ってくれる会社」でした。私の場合、それを追求することがたまたま外資系企業数社で仕事をする結果につながったということです。これまでのキャリアの中で、実際、英語の業務環境に何度となく泣かされたり、英語にうんざりしたりする日々も沢山ありました。そんな私が最終的に英語の仕事を選んでいるのですから、人のキャリア、人の人生って本当に不思議です!でも、今では、度重なる英語の面接対応にビビりまくっていた自分とか、英語の会議で言いたい一言がどうしても言えなかった自分とか、深夜まで英語のプレゼンの準備に追われていた自分とか、あの日あの時の自分自身を暖かく応援しサポートするつもりで英語コーチの仕事を選んだような気がしています。

最後に繰り返しますが、「英語を使う仕事がしたい」という方は、まずは自分が何をやっていきたいのかを明確にすることをお勧めします。英語は漠然と学習していても思うような成果は得られません。英語学習で確かな成果を出すためには、あなたの学習の目的地を決めることです。転職に備えて、とにかく「TOEICのスコアも英会話力も上げなくては!」と焦ってしまっている方は、まず今後やりたいことの方向性や優先順位を確認し、自分がどこに向かうべきかを考えてみてください。それが明確になった時、あなたの英語学習の方向性もクリアになるはずです。

See you!