That’s Something! 

こんにちは、eigomob.comへようこそ!           

私の高校時代の英語の先生であり担任の先生でもあったY先生が叙勲(瑞宝小授章)を受章されていたことをつい先日知りました。遅ればせながら、先生に心からお祝い申し上げます!

ということで、今回は、That’s something! (それはすごいですね!)をブログのタイトルとさせていただきました。something には「大した・すごいもの」、someone/somebody には「ひとかどの人物」 といった意味もあります。ぜひ覚えておいてください。

当時のY先生と言えば、まず、白衣姿と肩のあたりでくっきりとカールさせたあの髪型が目に浮かびます。教室で白衣を羽織られていたのは、チョークの粉よけのためだったでしょうか?愛用の辞書で時折り何かを確認しながら授業を進めるのが先生のスタイルでした。ひとつ確認が終わるたびに、辞書を教壇の上に無造作に放り投げる彼女の所作が妙にカッコ良くて印象的でした。

そして、何と言っても、忘れられないY先生の名言が「恋愛はハートで、結婚はマインドでするもの」というフレーズ。当時、高校生だった私たちにとってはかなり刺さる言葉でしたね。先生ご自身がこれを実践されたのかどうかは定かではありません。久々に先生の言葉を思い出したところで、今回はheart & mindについて少し考えてみたくなりました。

heartは、「心臓」でありながら、「心」「気持ち」「愛情」「思いやりの心」という意味を持ち、一方のmindは、「心」「精神」「知性」「判断力」などと訳されます。後者は、同じ「心」でも論理的な思考を司る「心」で、しばしば brain(脳)の同義語として使われます。その意味で、mindは脳の部分に位置しているとする説もあります。私たちは、生きていく上で、この2つとどうやって折り合いをつけていけばよいのでしょうか?

私がまず思い出したのは、スティーブ・ジョブズが残したあの心に響くメッセージです:

“Have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.”

「あなたの心と直感に従う勇気を持ちなさい。心と直感は、なぜかあなたが本当は何になりたいのかをすでに知っています。ほかのことはすべて二の次でよいのです」

ジョブズは、心と直感に従うには勇気が必要だと語りました。そう、私たちにとって、heartの声に素直に従うのはそう簡単ではないのです。なぜなら、私たちがheartで感じたことや思ったことは、つねにmind/brainの検閲を受けているからです。例えば、あなたのheartが何かしら未来の夢を思い描いたとき、合理的かつ客観的なmind/brainがその内容をチェックしにきて、「それはムリ」とか「くだらない」などと評価して却下してしまうのです。その度に、私たちは自らの人生を変える多くのチャンスを放棄してしまうことになります。実際、多くの人が将来の目標や夢を抱えながらも道半ばで諦めてしまうのは、heartで感じたことや直感をいちいち検閲する厄介なmindやbrainの働きによるところが大きいのです。

“The biggest wall you have to climb is the one you build in your mind: Never let your mind talk you out of your dreams, trick you into giving up. Never let your mind become the greatest obstacle to success. To get your mind on the right track, the rest will follow.”

「あなたが克服しなければならない最大の壁は、あなたが自らの心(mind)に築く壁である。心(mind)に説得され、言いくるめられて、夢を手放したり諦めたりしてはいけない。あなた自身の心(mind)を成功への最大の障害にしてはいけない。心(mind)を正しく使えば、あとはうまくいく」

上記は、The Light in the Heartという自己啓発本の中で、著者のロイ・T・ベネットが語っている言葉です。「あなたが自らの心(mind)に築く壁」とは何でしょう?たぶん、その答えは自分に対する否定的な考えだと思います。「心(mind)を正しく使う」とは、否定的な考えを心から追い払うこと、つまり、ネガティブな思考を排除することなのだと思います。残念ながら、世の中には、自分に対する肯定的な評価を持つ人よりも否定的な評価を持つ人の方が多いと言えるでしょう。私たちは皆、過去の失敗や誰かの言葉によってもたらされた自分に対する否定的な見方や考え方に縛られがちです。中には、絶対的な根拠もなく「私は〇〇だから〇〇できない」というネガティブな思い込みを持っている人も少なくありません。英語に対する苦手意識があるという方も、単に自分には「聞き取れない」「話せない」「覚えられない」と思い込んでいるだけの方が本当に多いです。いずれにしても、こうした否定的な思いやイメージこそが、何事においてもあなたの成功を妨げる最大の壁であり、敵であるということですね。

あなたがもしネガティブ思考にとらわれているなら、ポジティブ・アファメーションの手法を試されてみてはいかがでしょうか。これは、一言で言うと、自分自身に対して肯定的なメッセージを送ることで、頭の中で唱えたり、声に出したり、紙に書き出すなどの方法で行います。これを毎日10分程度行えば、これまでに蓄積された否定的な心の声が打ち消される効果があります。例えば、「自分は〇〇ができる」「自分は〇〇を達成する」「自分は〇〇になる」などのシンプルなメッセージを常に自分に送り続けるということです。まるで魔法の呪文を繰り返すようなこの習慣が、実は、夢や目標を実現するための最もパワフルなツールと言われています。この習慣を身に付けることで、あなたのmind/brainは、いつでもあなたにポジティブな結果をもたらす答えをみつけてきてくれる、あなたの強い味方になることと思います。

さて、あなたは今後heartとmindとどう折り合いをつけていきますか?私は、オーストリアの心理学者アルフレッド・アドラーの残した以下の言葉に従いたいと思います。

“Follow your heart but take your brain with you.” (あなたの心に従いなさい。でも、あなたの知性も連れていきなさい)

See you!