要注意!よく使う recommend のトリセツ

こんにちは、eigomob.com へようこそ!

パリ五輪が開幕しましたね!外は猛暑なので、今年の夏休みは家でのオリンピック観戦と決めているのですが、暑さと戦いながら死ぬほど寝不足になりそうで心配です。

さて、前回は、仕事でよく使う request の使い方と注意点について紹介させていただきました。今回は、レストランや海外旅行などで誰もがよく使う recommend の使い方を取り上げたいと思います。recommend や recommendation は、日本人が英会話で口にする英語のうち、かなり上位を占める英語なのではないでしょうか。例えば、「おすすめは何ですか?」 「私のおすすめは・・・」 などなど、外国人との会話でこの英語が使われる頻度はとても高いですね。にもかかわらず、この英語を正しく使っている人はほとんどいないと言えるでしょう。

では早速、よくある間違いを例に挙げながら、recommend の使い方を確認していきましょう!

よくある間違いその1: モノを勧める場合の表現

例 )「この映画がおすすめです」
✖:I recommend you this movie.
〇 : I recommend this movie (to you).

「あなたにこれをおすすめします」と言う場合、recommend のあとに you と続けてしまう人はとても多いと思います。「モノを人に勧める」 = 「recommend something to 人」という基本のパターンをぜひ押さえておいてください。to のあとには勧める相手の名前や代名詞(him / her / themなど)が続きますが、to you の場合は省略可能です。

一方、recommend のあとに目的語として you や him などが続く用法もありますが、その場合には、その人を「推薦する」という意味になりますので注意が必要です。

My boss recommended him for the position.
(私の上司は、彼をそのポジションに推薦した)
They decided to recommend her as the next president.
(彼らは彼女を次期大統領として推薦することに決めた)

よくある間違いその2: コトを勧める場合の表現

例 )「軽く運動することをおすすめします」

✖:I recommend to do light exercise.
〇 : I recommend doing light exercise.

recommend は、目的語に to 不定詞ではなく動名詞をとる動詞です。「~することを勧める」と言う場合に、recommend to do と表現する癖がついている人も結構多いと思いますのでご注意ください。英語の動詞には、目的語に to 不定詞だけをとるもの、動名詞だけをとるもの、その両方をとるものがありますので使い分けが必要です。少なくとも自分がよく使う動詞については、その用法を確認しておきましょう。

よくある間違いその3: ~するように勧める場合の表現

例 )「今週末に鎌倉に行かれることをおすすめします」
✖:I recommend you to visit Kamakura this weekend.
〇 : I recommend (that) you visit Kamakura this weekend.

例 )「あなたは、私が今週末どこに行くことを勧めますか?」

✖:Where do you recommend me to visit this weekend?
〇 : Where do you recommend (that) I visit this weekend?

例 )「その医者は、彼女に体重を減らすように勧めた」
✖:The doctor recommended her to lose her weight.

〇 : The doctor recommended (that) she lose her weight.

「人に~するように勧める / ~することを勧める」
「recommend (that) 人 do」のパターンで表現されます。

この用法で注意することは、(that) 以下の動詞、つまり that 節の動詞が、主節の時制や主語の人称にかかわらず、つねに原形になるということです(上記の例文では、visit と lose)。これは、前回の request に関するブログでも説明した通り、提案・勧告・要求・命令を意味する動詞の後に続く that 節に共通するルールです。『そう言えば、英語の授業でそんな話を聞いたような・・』と記憶がよみがえる方もいるかもしれません。なお、イギリス英語では、that 節の動詞の前に助動詞 should を付けることがあります。

それでは、ここまでのまとめです。

「モノを人に勧める」
✖:recommend 人 something
〇 : recommend something to 人

「コトを人に勧める」
✖:recommend 人to do
〇 : recommend ~ing to 人

「人に~するように勧める」

✖:recommend 人to do
〇 : recommend (that) 人 do(*主節の時制や主語の人称にかかわらず原形になる)

ここからは、あなたが recommend を使う際の私からの「おすすめ」です。

I recommend ~ という表現は、ともすれば上から目線の表現と受け取られることがあるかもしれません。そこで、ぜひお勧めしたいのが助動詞 would を使った I would (I’d) recommend ~ という表現です。would を加えることで、表現に仮定のニュアンスがこめられ、押しつけがましくなく、控えめなトーンであなたの提案を相手に伝えることができます。recommend に限らず、例えば I think ~ という代わりに、I would (I’d) say ~ と表現すれば、「私としては~と思いますが」と、言いたいことを丁寧で控えめに相手に伝えることができます。

最後にもうひとつ、日本人が大好きな recommend という英語ですが、ネイティブ同士のコミュニケーションではそれほど使われていないように思います。「これがおすすめ!」 「こうするのがいいですよ」 などと表現する場合には、recommend よりも、むしろ suggest や suggestion を多く使っているように感じます。レストランのメニューでも、「おすすめ料理」 が Chef’s Suggestion となっているのをよく見かけます。また、「本日のおすすめ料理」は Today’s Special となっていることが多いですね。会話では、ごくストレートに You should try ~ (~ が良いので試してみてください) 、Why don’t you ~? (~してはいかがですか?)などの表現がよく使われます。recommend を使った表現は、丁寧でありながらも、ネイティブにとってはやや堅苦しさを感じさせる表現ということかもしれません。

以上、今回は recommend のトリセツでした。それにしても、オリンピックは、スポーツ競技と言うよりも、むしろドラマですね!どの種目においても、本当にドラマチックな展開が沢山あります。寝不足になりながらも、今年の夏をなんとか乗り切れそうです!

See you!