ビジネス英語の決め手は?

こんにちは、eigomob.com へようこそ!

猛暑が続く中、巨大地震注意報の発表や超大型台風の上陸など、今年の夏はあまりいいニュースがありませんね。私たちは、自然現象や環境異変を直接コントロールすることはできません。日々、自分ができる範囲のことをできる限りやりながら暮らしていくしかなさそうです。

さて、仕事で一人前のビジネスパーソンとして受け入れられるかどうかは、プロフェッショナルらしい立ち振る舞いやコミュニケーションができるかどうかにかかっています。このプロフェッショナルらしさとは何でしょうか?それは、つねにビジネスの場にふさわしい言動がとれることではないでしょうか。身なりや服装といった要素も、もちろん重要です。そして、プロフェッショナルらしいコミュニケーションとは、「やる気と実行力」が感じられるフォーマルで信頼感のあるコミュニケーションではないかと思います。

この「やる気と実行力」をプロらしく表現するためには、英語のビジネスでパワーを発揮する定番の動詞や名詞を使ったコミュニケーションがおすすめです。

過去のブログでは、シンプルな基本動詞だけでビジネスコミュニケーションが成り立つ例についてお話しさせていただきました。今回は、それと矛盾する内容というわけではありませんが、実は、ビジネスの場では積極的に使うべき効果的なパワーワードがあります。

例えば、目標の達成や成功に向けての意欲を伝えたい時、業務の進捗や結果を具体的に示したい時、現状の課題と今後の対応についてポジティブなトーンで説明したい時、自分の意見を明確に表現したい時など、ビジネスでよく使われるパワーワードを使ったコミュニケーションで、あなたの仕事に対する前向きな姿勢を印象づけることができます。

では、実際に、こうしたパワーワードとはどのようなもので、それがどのように力を発揮するのか、いくつか例を挙げて説明したいと思います。

「次のプロジェクトについてお話ししたいのですが」
We need to talk about the next project.
〇 We need to discuss the next project. 

discuss は、「話し合う」「意見を交わす」という意味を持つ動詞です。discuss には「議論する」という日本語訳もあり、この英語をこの意味でとらえている方も多いのですが、ビジネスの場でフォーマルに「~について話し合う」と言う場合には、通常 discuss が使われます。discuss には、ただ単に話をするのではなく、ある事柄についてお互いのアイデアや意見を交換し合いながら、深く建設的に話をするという意味が込められています。シンプルなワードでありながら、業務に対するコミットメントを感じさせる動詞です。

「過去半年で売り上げが15%増となりました」
△ Our sales have increased by 15% in the past half year.
〇 We have achieved a 15% sales increase in the past half year.   

同じ内容を伝えるにも、上記2つの英文では聞き手に与えるインパクトが全く違います。achieve は、高い目標を多くの努力の末に「達成する」「獲得する」「成し遂げる」ことを表す動詞です。achieve を使うことで、結果を出すための意欲やそれに向けての実行力が断然感じられる表現になります。

「新しいシステムが大幅なコスト削減をもたらしました」
The new system brought significant cost savings.
〇 The new system delivered significant cost savings.

ビジネスでは、つねに結果が求められます。結果をもたらすイメージを最も的確に伝えられるパワーワードとして deliver があります。一般的には荷物などを「配達する」「届ける」という意味で使われる deliver は、「(成果などを)もたらす」「(約束などを)果たす」という意味でも使われます。この動詞がビジネスで使われる場合には、deliver excellent results、deliver a positive message のように、形のない抽象名詞を目的語とするケースが多いです。
 
「現在マーケティングプランを作成中です」
△ We are currently working on a marketing plan.
〇 We are currently developing a marketing plan.

「開発する」「発展させる」という意味を持つ develop は、システム開発や商品開発で使われるワードというイメージが強いかもしれませんが、仕事で幅広く使える便利な動詞です。develop には、何かを発展させながら着実に作り上げていくニュアンスがあるため、より良いものを生み出すための努力を重ねている姿勢をさりげなく伝えることができます。例文のほかに、develop one’s skills (スキルを上げる)、develop one’s career (キャリアを伸ばす)も業務上よく使われる表現です。ちなみに、日本語の「キャリアアップ」は、career development と表現されます。

「お話の要点をもう一度明確にしていただけますか?」
Would you make your point clear again?
〇 Would you clarify your point again?

ビジネスの鉄則として、不明確な内容があれば必ず確認することが重要です。特に、ミーティングなどで相手の話す内容がはっきり理解できない場合に、ひと言でフォーマルかつビジネスライクに内容を確認する手助けをしてくれるのが clarify 「明確にする」 という動詞です。clear という形容詞は知っていても、clarify という動詞には馴染みがないという方も意外と多いのではないでしょうか?この動詞を使うことで、相手の話を正しく理解しようとする姿勢や、不明確な内容はその場で明確にするという意志が伝わります。

「プロジェクトを始めるに当たり、いくつか問題があります」
We have some problems in starting the project.
〇 We have some challenges in starting the project.

あなたが担当することになったプロジェクトを開始するに当たり、いくつかの問題点が見つかりました。これらをクリアしない限り、計画を前に進めることができません。そんな時、あなたは上司にどのように報告するでしょうか?「問題」というとすぐに頭に浮かぶ problem には「厄介な問題」というネガティブで後ろ向きなイメージがあるため、せめて issue (課題) というワードを使ってのコミュニケーションをおすすめします。一方で challengeは、「(能力が試される)課題」「挑戦しがいのある課題」「難しくてもやりがいのあるもの」というポジティブな意味合いを持つワードです。challenge を使うことで、あなたの仕事に対する前向きな姿勢を表現することができます。

「お客様に回答する前に別の選択肢を検討した方がよいでしょう」
△ We should think carefully about another option before responding to the customer.
〇 We should consider another option before responding to the customer.

「よく考える」「検討する」を意味する consider をカジュアルな日常会話で使う機会はほとんどないかもしれません。何事も即決即断とはいかないビジネスの世界で、consider はとても使える便利な動詞です。決定・選択などをする前に「じっくりと考える」ニュアンスを持つため、Please consider. (ご検討をお願いします)または Thank you for your consideration. (ご検討ありがとうございます)と表現すれば、相手も気持ちよく真剣に検討してくれるでしょう。

以上、ビジネスで力を発揮するパワーワードをほんの一部だけご紹介しました。ビジネス英語でよく使われている動詞や名詞に改めて目を向け、あなたの「やる気と実行力」をさらにアピールしてみませんか?

See you!