こんにちは、eigomob.com へようこそ!
この私、実は、ささやかながらも推し活をやっています。推し活と言うにはいたって地味な活動ですが、推しの主演する映画を観に劇場に足を運んだり、DVDを購入したり、推しがアンバサダーを務めるブランド品を揃えてみたり、暇さえあればネットで推しの最新情報をチェックしたりといったところです。時おり、アマゾンのサイトからも「あなたにおすすめの商品」として、推し関連のグッズを紹介するご案内が届いたりしています。まあ、いわゆるオバさんの密かな楽しみというやつですね。
さて、今回は、多くの人が時に使い方を間違ってしまったり、どちらを使うか結構迷ったり、そもそも用法をよく理解していなかったりする英語表現について、いくつかピックアップしてみました。
■ 「私は英語力を磨く必要がある」
✖ I need to brush up my English.
〇 I need to improve my English
この英訳では、たぶん brush up を使うという人が多いのではないでしょうか。なぜなら、「英語力を磨く」を brush up one’s English (skills) としている学習書がよくあるからです。実は、brush up の正確な意味は「磨き直す」ことにあります。つまり、勉強し直したり、学習し直したりして、何かを「以前のレベルまで戻す」ことを意味します。
brush up を辞書で調べると: to improve your knowledge of something already learned but partly forgotten (Cambridge Dictionary) とあり、過去に学んだものの、部分的に忘れてしまっていたり (partly forgotten)、錆びついていたりする知識などを取り戻すことと説明しています。単に英語を「もっと上達させたい」ということであれば、improveを使うのが適切です。
■ 「私の故郷は黄色いトマトで有名です」
✖ My hometown is famous for its yellow tomatoes.
〇 My hometown is known for its yellow tomatoes.
私たち日本人は、つい安易に日本語を直訳してしまう癖があります。これは、その例のひとつと言えるでしょう。「有名」というと、すぐに famous を使いたくなってしまうところですが、famous を辞書で調べると: known and recognized by many people (Cambridge Dictionary) とあります。実は、この by many people という部分がポイントで、famous は、「誰もが知っている」ような事実を表現する際の形容詞なのです。あくまで「地元で有名」ということであれば、famous for の代わりに known for を使って known locally for its yellow tomatoes とすれば、より自然な表現になります。
■ 「日本のミュージシャン YOSHIKI をご存知ですか?」
✖ Do you know the Japanese musician YOSHIKI?
〇 Have you heard of the Japanese musician YOSHIKI?
こちらも、日本人の英会話でよくあるケースです。Do you know ~ ? は、「~と知り合いですか?」 「~を個人的によく知っていますか?」という意味で使われるため注意が必要です。面識のない人を知っているかどうかを聞く場合に Do you know ~ ? は使われません。「 (会ったことはなくても)その人の名前や存在を知っている」かどうかを尋ねる場合には、Have you heard of ~ ? が適切な聞き方です。目的語が人以外の場合も同様で、例えば、Do you know Roppongi? は、「あなたは六本木に詳しいですか?」という意味になります。
■ 「来月車を買う予定です」
✖ I am going to buy my car next month.
〇 I am going to buy a car next month.
日本人にありがちなちょっとしたミスがこの表現です。my は所有形容詞で、まだ所有していない物を my ~ と言うことはできません。来月買う予定の車は、あくまでも a car。「自分の車」だということを強調したい場合には、a car of my ownという言い方もできます。
■ 「どの季節が一番好きですか?」
〇 Which season do you like best?
〇 What season do you like best?
この which と what の使い分けについては、私も過去には何回となく悩んだものです。というのも、ネイティブが両方のパターンで話しているのを聞いていたからです。この形式の疑問文で which と what を使い分けるポイントは、which + 名詞 ⇒ 「選択肢が提示されている時、または(ある程度の)選択肢を相手が認識できている時」に使われ、what + 名詞 ⇒ 「選択肢や範囲が特に限定されていない時」に使われる、ということになっていて、この例文ではどちらでもOKです。which で始まる疑問文でも、必ずしも選択肢が提示される必要はありません。上記のように好きな季節を問う場合は、選択肢は4つと誰でもわかっているため、summer or winter? などと、あえて選択肢を提示しなくても Which season ~ ? と聞くことが可能です。
■ 「あなたはどう思いますか?」
✖ How do you think?
〇 What do you think?
意外に混乱する人が多いのがこちらの英訳です。How do you think? と表現してしまう人は、日本語の「どう」を how に結びつけているように思います。how は、基本的に「手段・方法・状態」について尋ねる副詞です。例えば、How do you go to work?(どのように通勤していますか?⇒ 通勤手段を聞く)、 How did you get it? (それをどうやって手に入れたのですか?⇒ 入手方法を聞く)、 How is your mother? (お母さんはお元気ですか?⇒ 状態を聞く) のように使われます。よって、How do you think? は、think という行為をどのような手段や方法で行っているのかを尋ねていることになり、少しおかしな英語になってしまいます。日本語の「どう思う」は、手段ではなく「何を思う」か、相手の考えや意見そのものを聞いているため、What do you think? が正しい英語表現になります。
ただし、「~をどう思いますか?」を意味する英文には、上記の他に How do you feel about ~ ? / How do you like ~ ? と、how を使った表現方法もあります。How do you feel ~ ? と feel を使うと、考えや意見というよりも、むしろ気持ちや感情を問うような意味合いとなります。
以上、今回の内容につき、あなたにも何か思い当たる点はありましたでしょうか?それでは最後に、次の2つの英文の意味の違いはわかりますか?
Believe me!
Trust me!
映画やドラマによく登場するセリフですね。正解は次回のブログで。
See you!