必ず攻略したい so の用法

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先日、スイスの教育機関が英語を母国語としない国々を対象に行った調査で、日本の「英語能力指数」が116カ国中92位と過去最低の順位になったというニュースがありました。調査が開始された2011年以来、日本の順位は国際化に逆行して下落傾向にあり、今やアジア圏の中でも下位の順位となっています。「これは相当マズい!!」と久々に思ったニュースでした。

その後、このニュースに寄せられたさまざまなコメントを読んでいたら、次のような内容のものが目に留まりました。――日本の英語力が低下しているというよりは、日本以外の国で英語力が向上しているペースに日本が追いついていないだけでは?――このコメントを読んで、思い当たる節もあり、個人的にはそういう事情もアリかもしれないと感じています。世界的に国際化が進んでいるとはいえ、日本という国では、仕事等で英語が必要な一部の人々を除き、英語が全くわからなくても問題なく生活することができます。英語の必要性という観点から考えれば、日本人の英語スキルが低いのは当然とも言えるでしょう。しかし、開き直っている場合ではありません。為替的にもすっかり「安い国」となってしまった我が国は、今後、海外からの観光客を圧倒的に増やしていくことを計画しています。ということは、この先、日本で英語が必要でないわけがないのです。むしろ、英語の必要性はますます高まっていくことになるでしょう。

さて、今回のブログは、必ず攻略すべきsoの用法についてです。so の用法がなぜ重要なのかと言うと、まず、話し言葉でも書き言葉でも使用される頻度がとても高いこと、ビジネスの場でもプライベートなやり取りでも利用できる表現がたくさんあること、so には副詞および接続詞としての用法があり、シンプルに幅広い内容を表現できること、そして、それほど使用頻度が高く便利な用法でありながら、使いこなすのが結構難しいことにあります。

あなたが so で思い浮かべるフレーズにはどんなものがありますか? 例えば、It’s so nice! (とても良いですね)、Why do you think so? (あなたはなぜそう思うのですか?)、It was raining, so we didn’t go out. (雨が降っていたので、私たちは外出しなかった) といったところでしょうか?このように、so を 「とても」 「そのように」 「だから」 という意味だけで覚えていると、思わぬところでつまずいてしまいます。

前述のとおり so には副詞としての用法と接続詞としての用法があります。今回は、これらのうち、私たちが取り違えやすいトリッキーな例をいくつか紹介してみたいと思います。

I missed the bus, so I had to take a taxi.
(私はバスに乗り損ねたので、タクシーで行かなければならなかった)

上記は、so が「~ので、だから」という意味で使われているお馴染みの用法ですね。実は、この用法は、「結果を表す so that 構文」の that が省略されたものであることをご存知でしたでしょうか?つまり、I missed the bus, so that I had to take a taxi. と書き換えることができます。口語では that が省略されるケースが多いのです。この用法の特徴は、「so の前にコンマが置かれる」ことにあります。

ところで、あなたは「so that 構文」をちゃんと覚えていますか?この構文は so を攻略する上でとても重要です。特に、so の解釈で悩んだことがあるという方は、必ず文法書で「so that 構文」を復習してみてください。上記の例文で so の意味を取り違えるケースはほとんどないかと思いますが、以下の英文はどうでしょう?すぐに意味が取れますか?

I left home earlier than usual so I could catch the bus.

こちらは、「目的を表す so that 構文」の that が省略されたもので、so 以下は 「~するために、~となるように」という意味になります。目的を表す so that 構文の特徴は、「that 節の中に can / may / will などの助動詞が含まれる」ことにあります。書き換えると、I left home earlier than usual so that I could catch the bus. となりますが、that が入ることで内容が理解できたという方もいるのではないでしょうか。

I left home earlier than usual so I could catch the bus.
(私はそのバスに乗るためいつもより早く家を出た)

では、下記の英文はどういう意味になるでしょうか?

I left home earlier than usual that I could catch the bus.

こちらも同じく目的を表す so that 構文で、今度は so が省略されたケースです(意味は前の例文と同じ)。 このように、目的を表す so that 構文では、so や that の省略が頻繁に起こります。一般的に、話し言葉では that が、書き言葉では so が省略される傾向があるようです。実際、ネイティブスピーカーたちは、こうした省略形を気分に応じて(?)使い分けてくるので、英語でメールをやり取りしていると「ネイティブの so や that の使い方がいまいちわからない !」と悩ましく思うことがあります。そのような場合には、こうした省略が起きている可能性が大です。では、引き続き次の英文をご覧ください。

So you can catch the bus, you should leave home earlier than usual.

いかがでしょうか?なんと、こちらも目的を表す so that 構文の that が省略されたもので、さらに so の文節が前に来たものになります。つまり、You should leave home earlier than usual so that you can catch the bus. と書き換えることができます。

この例文では、so が文頭にあるため、so が前の文や内容を受けているように勘違いしやすいので注意が必要です。このようなパターンを自分で使いこなすのは難しいですが、so that 構文ではこのような省略や倒置が頻繁に起こるという事実を認識しておくだけでも、英文理解の大きな助けになることと思います。

So you can catch the bus, you should leave home earlier than usual.
(あなたはそのバスに乗るために、いつもより早く家を出たほうがよい)

上記のほか、中学3年生で習う so that 構文に「程度と結果を表す so that 構文」があります。特徴は、「so と that の間に形容詞または副詞が入る」ことです。意味のとらえ方は 2 通りあり、「とても~なので・・・だ」もしくは「・・・するほど~」で、文脈に応じて判断します。

She was so busy that she couldn’t attend her brother’s wedding.
(彼女はとても忙しかったので、弟の結婚式に出席することができなかった)
He was so tired that he went to bed without having supper.
(彼は夕食を食べずに寝てしまうほど疲れていた)

この用法によく似た形式のものに、「様態を表す so that 構文 (~するように・・・) 」というものがあります。特徴は、「so と that の間に過去分詞が入る」ことです。これは、主に書き言葉で使われる用法で、目にする機会もそう多くはないかもしれませんが、知らないと意味を取り違えてしまう可能性がありますので、ぜひチェックしておいてください。

The game is so designed that both kids and adults can have a lot of fun.
(そのゲームは、大人から子供まで大いに楽しめるように設計されている)
The story is so written that it encourages every reader.
(その物語は、すべての読者を勇気づけるように書かれている)

以上のように、so を攻略するには構文の知識も必要です。さらに、英語の構文ではしばしば省略が起こるということも頭に入れておく必要があります。この機会に「so that 構文」をしっかり復習し、so や that の解釈に悩む日々から卒業しましょう!

See you!