要注意!仕事でよく使う request のトリセツ

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先日、久しぶりに古典文学を読んだのですが、感動のあまりしばらく涙が止まりませんでした。小説を読んであれほど心が揺さぶられたのは何年ぶりでしょうか?この世界にはまだまだ感動できるモノやコトが無数に存在しているのだと実感できて、何だか嬉しい今日この頃です。

さて、特に外資系企業にお勤めの方や、ビジネスで多少なりとも英語を使っている方なら必ずと言ってよいほど扱う単語のひとつが request ではないかと思います。request は、業務上、丁寧かつフォーマルに何かを依頼する際に使われる定番の単語ですね。

今回なぜ request なのかと言うと、実は、使用頻度がとても高いこの単語を正しく使えていない方がなぜか本当に、本当に多いのです!そこで、このブログでは、requestを使う際の注意点について、よくある間違いを例に挙げながら説明していきたいと思います。

注意その1: request forを伴うという思い込み

例えば「その顧客は私たちの会社に10%の値引きを要請した」という内容を、あなたは request という単語を使って英語でどのように表現するでしょうか?

この場合、よく目にするのが以下のような英文です。

The customer requested our company for a 10% discount.
The customer requested for a 10% discount to our company.

どちらも言いたいことは伝わる英語かもしれませんが、英文としては正しくありません。なぜこのような英文を見る機会が多いのかと考えると、どうもたくさんの方が「request はつねに for とセットで使う」ものと思い込んでいるようなのです。

確かに、request が forと結びついた表現は、ビジネス文書の中にあふれています。request for support (支援の要請)、request for information (情報の提供依頼)、request for approval (承認依頼) のように、特にメールの表題などに request for ~という表現が数多く使われています。ただし、これらはすべて名詞句であり、request for ~が「~を要請する」という意味で使われることはありません。

また、request をつねに for と結び付けて考えてしまうもうひとつの理由として、「ask 人 for ~(人に~を求める・依頼する)」の用法との混同があると思います。ask も request も共に依頼や要請を表現する際に使われる動詞のため、使い方も混同されがちです。心当たりのある方は、改めて両者の用法の違いを確認していただきたいと思います。

〇 ask our company for a 10% discount
✖ request our company for a 10% discount

注意その2:「request to 人」という思い込み

さらに、9割以上の人が正しく認識していないポイントとして、要請先(誰に対する要請か)を表現する際の前置詞の使い方があります。例文では、「私たちの会社に要請」の「私たちの会社に」の部分を、誰もが日本語感覚でつい「to our company」と表現しがちです。ところが、正しくは「from our company」となります。このあたりの前置詞の使い分けは日本人にとって難解ではありますが、日本語的に解釈するならば、「会社に値引きを求める」=「会社からの (from) 値引きを求める」ということになるのではないかと思います。

以上を踏まえると、上記の例文の正しい英語表現は以下になります。

The customer requested a 10% discount from our company.
(The customer asked our company for a 10% discount.)

まとめ: 「ask 人 for something」「request something from 人」と覚えておいてください。

注意その3: ビジネス文書ではスタンダード構文がおすすめ

ビジネスでのフォーマルな依頼・要請には、 request のスタンダードな構文「request 人 to do」 request that S V」を使ったコミュニケーションをお勧めします。

request to do (人に ~ するように依頼・要請する)」:
The customer requested our company to offer a 10% discount.
(この構文は、しばしば受動態の形で使われます↓)
Our company was requested to offer a 10% discount by the customer.

request that S V ( that 以下の内容を依頼・要請する)」:
The customer requested that we offer a 10% discount.

この構文の場合、that 節の 中の動詞がつねに原形になることにご注意ください。このルールは、requestに限らず「要求や提案」を意味する動詞(例えば、advise、demand、propose、recommend、suggest など)に続く that 節に共通のルールです。(このルールについて詳しく確認したい方は、文法書などで「仮定法現在」について調べてみてください)イギリス英語では、動詞の原形の代わりに 「should + 動詞原形」の形で表現されることがあります。

なお、動詞の request は、make a request というイディオムの形で表現することもできます。この形式を用いると、依頼・要請がより丁寧で柔らかなニュアンスになります。

The customer made a request for a 10% discount from our company.

以上、今回は、意外にも多くの方が使い方でつまずいている request の用法をご紹介しました。あなたが request という文字を含むメッセージを発信する相手の中には、大切な取引先なども数多く含まれていることと思います。request の用法を再確認して、ステークホルダーからの好感度をさらにアップさせていただきたいと思います。

See you!