Angel’s shareとは?

こんにちは、eigomob.comへようこそ!

Angel’s share (天使の取り分)という言葉をご存知ですか?お酒好きの方、特にウイスキー好きの方であればご存知かもしれません。ブランデーやウイスキーなどを樽で熟成させる間に蒸発して目減りしてしまう水分のことをこう呼びます。つまり、これは天使が持っていったもの、天使へのおすそ分けとされています。何とも素敵な表現ですよね。お酒を愛する私にとって、お酒に関する英語の学習もとても楽しいものです。ビールがおいしい季節が過ぎ、ウイスキーをじっくり味わえる秋が深まりつつある今日このごろです。そんな訳で、今回のテーマは「バーでクールにウイスキーを飲む」です。

ウイスキー好きはたぶん男性に多いと思いますが、ウイスキーは、低カロリーで糖質なし、プリン体もほとんどなしという体に優しい特徴に加え、実は、抗酸化作用を持つポリフェノールやメラニンに含まれるシミの原因物質を抑制するリオニレシノールという成分をしっかり含んでいるため、アンチエイジングや美白効果も兼ね備えた女性にとても嬉しいお酒なのです。また、樽熟成ならではのウイスキーの芳醇な香りには、森林浴のリラックス効果があると言われています。私は若い頃からウイスキー好きでしたが、数年前に人形町にある行きつけのバーが主催したサントリーの白州・山崎蒸溜所ツアーにお店の常連さんたちと一緒に参加してから、こうしたウイスキーの奥深い効能についても知るようになりました。それでは、おいしいウイスキーを英語で正しく注文し、クールに飲んでいただくための基本的な英語表現をご紹介したいと思います。

「ウイスキーをストレート(straight)で」は日本だけ
ウイスキーの飲み方にも色々ありますね。一般的な飲み方としては、ロック:whisky on the rocks、水割り:whisky and water、最近流行りのハイボールは、英語ではwhisky and sodaです。日本でハイボールと言えば普通ウイスキーのソーダ割りを意味しますが、英語のhighballは、ウイスキーに限らずアルコールを炭酸水で割った飲み物を指すにすぎません。そして、日本人が最も間違いやすいのがウイスキーをストレートで飲みたい時の表現。英語での正しい表現はwhisky neatになります。バーにおけるstraightという表現は、straight up (またはup)という使われ方で、氷と一緒にシェイクしたりステア(かき混ぜる)したりしたお酒だけをカクテルグラスなどに注ぐことを意味します。ですので、ウイスキーのように常温でそのまま飲むお酒の場合にはstraightという表現は当てはまりません。

飲みたいウイスキーがスコッチまたはバーボンであれば、whiskyをscotchやbourbonに変えて“Can I have a scotch on the rocks?” 「スコッチをロックでお願いします」 または “Bourbon and soda, please?” 「バーボンソーダを」のようにオーダー。もし飲みたい銘柄が決まっているなら、“I’d like a Wild Turkey, neat.” 「ワイルドターキーをストレートでお願いします」、“I’ll have a Chivas and water.” 「シーバスリーガルの水割りをいただきます」のようにオーダーしてみてください。

ちなみに、バーボン:bourbonは、日本人が海外旅行をした際に最も通じにくい言葉のベスト10には入るであろう単語のひとつです。やはりrの発音がポイントでしょうか。初心者には結構難易度の高い発音になりますが、バーボン好きの方は日頃からよく発音練習をしておいてくださいね。

「チェイサー(chaser)」と言っても水は出てこない
ウイスキーをロックやストレートで飲む時には、お水も一緒に欲しくなりますよね。よくチェイサーと呼ばれるあれです。「あれ」をウイスキーと一緒に頼みたい時には、chaserではなくbackという表現を使います。例えば、“Scotch on the rocks with a water back, please” と言うと、スコッチのロックとお水の入ったグラスを一緒に持ってきてくれます。炭酸水を一緒に頼みたければ “with a soda back”、ビールをチェイサー代わりに飲みたければ “with a beer back” となります。英語のchaserは、強めのお酒を飲んだ後に口直しとして飲むソフトドリンクなどのことを指します。お酒と一緒に飲む水などをオーダーする際にはbackを使ってください。

お代わりをスマートに頼む
せっかくバーに入ったからには、お酒をたった一杯で切り上げるのも味気ないもの。ぜひスマートにお代わりなど注文してください。お代わりをお願いする時には、another oneやrefillという表現を使います。注文方法は、“Can I get another one?” または “I’d like a refill, please.” でOKです。また、何人かで飲みに来ていて、全員が同じものをお代わりする時には、“We’d like another round (one more round).” という表現があります。

Tab をopen/closeするとは?
アメリカなどのバーでは、会計のシステムが日本とは違うため、会計方法についてあらかじめ知っておく必要があります。バーでのお勘定はtabと表現され、お酒を注文する際には、最初に “Would you like to open a tab?” または “Do you want to keep your tab open? のように聞かれることが一般的です。tabとは「つけ払いの勘定」という意味で、上記は「支払いをカードにつけておきますか?」という意味になります。つけ払いにしたい時は “Yes.” と答え、バーテンダーにクレジットカードを預けて注文の合計を最後に精算してもらいます。つけ払いにしたくない時は、“No.”と答え、オーダーごとにcash on deliveryの方法で代金を現金で支払います。「私の勘定につけてください」は “Put it on my tab.”、お勘定を締めてもらう時には “Can I close my tab?”と言って精算してもらいます。どちらの方法で支払う時にもチップを上乗せすることをお忘れなく。

悪魔にも取り分がある
さて、冒頭で「天使の取り分」について書きましたが、実は、ウイスキーの製造工程には「悪魔の取り分」も存在します。これは、熟成後のウイスキーが樽から出されたあとも樽に染み込んで微量に残る原酒のことで、Devil’s cutと呼ばれています。この「悪魔の取り分」を抽出し、長期間熟成させた原酒とブレンドしたバーボンがジムビームのブランドから出ています。私はまだ飲んだことがないのですが、樽の香りが際立った独特の味わいがあるようですので、ウイスキー好きの方はぜひ試してみてください。いくらおいしいウイスキーでも、飲みすぎて二日酔いになる(have a hangover)のは避けたいものです。いつでも、どこでも、“Drink responsibly!”

See you!