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新年早々に首都圏を中心とする2度目の緊急事態宣言が発令されました。連日のように更新されていくコロナの感染者数や重症者数を見ても、それほど驚かなくなってしまった自分に驚きを覚えます。それでも、入院先が決まらないまま自宅療養中に亡くなっていく方を思うと、本当に胸が痛みます。この社会に生きる私たち全員ができることを確実に、そして根気強く実行していかなければ、この状況を変えることは難しいのだろうと思います。
先が見えない中、今は誰もが不安な気持ちで日々を過ごしていることと思います。こんな時には、せめて心のお守りが欲しいものです。今、私がお守りにしているのは、ジャズピアニスト ビル・エヴァンスの晩年のアルバム You Must Believe in Spring。大好きなエヴァンスのアルバムの中でも私が一番好きなアルバムです。映画音楽の巨匠ミシェル・ルグランがフランスのミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」のために作った一曲をエヴァンスが自らのアルバムに加え、その曲名をそのままアルバムのタイトルとしたものです。
You must believe in spring (春の訪れをきっと信じて) ―― このメッセージが今ほど心に響くことはありません。
このアルバムでは、エヴァンスのピアノの持ち味である繊細かつ奥行き感のある表現力が際立っていて、とにかく「美しい」の一言に尽きるアルバムです。スモーキーな哀愁が漂うこのアルバムに耳を傾けていると、まるで心の内面に強く語りかけてくる抒情詩を読んでいるような気分になります。冬の寒い時期に、暖かい部屋で静かに聴くのがおすすめです。
それでは、アルバムのタイトル曲“You Must Believe in Spring”の原曲の歌詞を少しだけご紹介します。始まりの歌詞は次の通りです。
When lonely feelings chill
The meadows of your mind
Just think if Winter comes
Can Spring be far behind
孤独な思いが心の草原を凍らせる
そんな冬が訪れたら考えてみて
春もそう遠くはないと
Beneath the deepest snows
The secret of a rose
Is merely that it knows
You must believe in Spring
深い雪の下に秘められた
バラの秘密
それはただひとつ
春の訪れを信じること
そして、曲の後半は以下のフレーズで締めくくられています。
You must believe in love
And trust it’s on its way
Just as the sleeping rose
Awaits the kiss of May
愛をきっと信じて
それがやって来ることを
まるで眠れるバラが
5月のキスを待つように
So in a world of snow
Of things that come and go
Where what you think you know
You can’t be certain of
You must believe in Spring and love
すべてが訪れ去っていく雪の世界
わかっているはずなのに
心は揺らぐばかり
春をきっと信じて、愛をきっと信じて
曲の後半は、You must believe in loveで始まり、You must believe in Spring and love で終わっています。つまり、この曲の主旨は、心も凍らせる冬の時代が到来した時には、春の訪れと愛を信じなさいということですね。
「人間を救うのは、人間だ」 ―― これは、コロナ禍でたまたま目にした日本赤十字社のリーフレットのキャッチコピーです。私は、この短くてシンプルなメッセージにひどく感動してしまいました。最後に人を救うのは、やはり人、そして人の「愛」ではないでしょうか。ワクチン開発が今回異例の速さで進みましたが、そこにも大きな愛の存在を感じずにはいられません。今般の日本政府による一連の対応やメッセージが多くの国民の共感を得られていないとしたら、それは、そこに今ひとつ愛が感じられないからかもしれません。
ともあれ、現状においては、私たち自身が愛をもって行動変容を遂げるしかありません。自分自身を、そして大切な人を愛すること。あなたの隣人を愛すること。私たちが暮らす社会そのものに対する大きな愛が必要とされています。春の訪れと愛の存在をぜひ信じていきましょう。そして、新しい日常の世界でますます活躍するための働き方やスキルを磨いていきましょう。あなたのアジェンダには、もちろん英語のスキルアップも入っているはずです^^。
See you!