May I Cut In?

こんにちは、eigomob.comへようこそ!           

今年も春がやって来ました。パンデミックは続いておりますが、春は春です!何か新しいことを始めてみたくなる、そんな季節の到来です。色々な理由でこの春から改めて英語にチャレンジするという方も多いと思いますが、成果を左右するものは、いつでもあなたの「本気度」と「学習の最適化」です。なお、このブログでは「英語は必ず声に出して学習する」ことを繰り返しお勧めしておりますが、皆様くれぐれも飛沫にはご注意くださいませ!

さて、今回のテーマは、「May I Cut In?:ちょっと(発言しても)よろしいですか?」。cut inは、「割り込む」 「割って入る」 という意味のフレーズ。ここでは、話に割って入るシチュエーションを想定しています。もちろん May I say something? と言い換えてもOKです。今回は、外国人たちがマシンガンのごとく発言を続ける英語の会議で、あなたが気後れせずに言いたいことを発言するためのヒントや、日頃から心がけておくべきことなどについてお話しします。

外国人の参加者が多い外資系企業の会議では、なかなか日本人に発言のチャンスが巡ってこないケースがあります。チャンスが巡ってこないというよりも、ディスカッションの場におけるネイティブスピーカーたちの会話スピードが圧倒的に速いため、多くの場合、私たち日本人が彼らの会話のリズムに乗り遅れ、結果として発言する機会を逸してしまうというのが実情です。しかし、会議で何も発言しない人は、チームに貢献しない人というネガティブなレッテルを貼られてしまうことになりかねません。

では、どうすればネイティブたちの議論にうまく参加できるでしょうか?それを考える上で、そもそも英語の文化と日本語の文化では、会議におけるトークスタイルが大きく違うという点を押さえておく必要があります。ある著名なアメリカ人の英会話コーチが、日本とアメリカの会話スタイルを、それぞれボーリング型とバスケットボール型と表現していました。日本では、誰かが話し出したら、とりあえずその人の話を最後まで聞く。順番に1人ずつプレーするボーリングのように、一人が話し終えてから次の人が話し始める。これに対して、アメリカや他の英語圏のトークスタイルは、バスケットボール型とされています。つまり、他人が話している最中でも、疑問点や納得のいかない点があると、すぐにさえぎって、ボールを奪って話し出すということ。時には、奪い取ったボールを独占してしまうことさえあります。

私は、これまでに外国人たちの会議の様子を随分と見てきましたが、この例えは本当に的を射ているので思わず笑ってしまいました。この欧米型トークに関する認識を持つこと自体が、実は、私たち日本人が英語の会議で一歩前進するための大きなヒントではないかと思うのです。相手からボールを奪うタイミングに特段ルールはなく、ボールを手にしていれば、ドリブルして間を取ることもできます。言い方を変えれば、会議での発言もチャットの延長線と大きくは変わらないということです。このように、バスケットボールをプレーする感覚で肩の力を抜きながら英語の会議に臨めば、誰もが過度のストレスや緊張感から解放されて、もっと気楽に英語でのディスカッションに飛び込めるのではないでしょうか。

前述の通り、会議で何も発言しない/できないことがあなたの評価に良い影響を及ぼすことはありません。英語の会議に参加したら、とりあえず、毎回、何かしらを発言することを目標にしましょう。まず、当たり前のことですが、会議の事前準備をしっかり行うこと。具体的には、会議の展開をあらかじめ予測して自分のトーキングポイントをまとめておくことです。また、議題に関する疑問点や問題点などもリストアップしておくことが大切です。そして、会議当日には、ぜひ勇気をもって、しかるべきタイミングで自らボールを取りにいきましょう。たとえネイティブ並みのスピード感や流暢さがなくても、いや、むしろ、だからこそ、あなたは「言うべきことはしっかり発言する人」なのだと、ネイティブたちに強く印象づけることができるのです。

もし、自分の考えをコメントするチャンスをみつけられなかったら、プロジェクトに関する疑問点や懸念について、参加メンバーに質問を投げかけましょう。また、ボールを追うことに夢中でとかく本論から脱線しがちなネイティブたちに、忘れ去られようとしているアジェンダ上の重要事項について確認を促す役回りを務めるのもよいと思います。そうすることで、会議におけるあなたの存在感を保つことができます。

そして、もうひとつ、大事なことがあります。それは、日頃から緊張感のない状況下で職場の外国人たちとまめにコミュニケーションを図ることです。彼らにあなたという人や、あなたの考え方をよく理解してもらうことで、さまざまな場面であなたを後押ししてくれる環境を作ることができます。例えば、ボールを奪うことが特に難しい電話会議の場面で、普段からあなたをよく知っている誰かが 『ところで、〇〇さんはどう思われますか?』 などと、あなたに発言の機会を提供してくれるような状況が生まれたりします。多くの外国人社員は、日本人が欧米式の会議スタイルに苦手意識があることを知っています。でも、あなたの専門分野や業務スキル、そして問題意識の高さなどをよく理解している誰かが、「あなたの意見をぜひ聞いてみたい」という思いから、あなたのコミュニケーションをサポートしてくれるようになるのです。

英語の会議では沢山のチャレンジがあります。まずは、バスケットボール感覚で、コンパクトかつ柔軟に自分の考えを発信するところから始めてみましょう。発言の最中にボールを奪われそうになったら、このフレーズでぜひクールに決めてください。

“Please let me finish!”

See you!